簡単に調理できて、しかも美味しいゆでたまご。大人から子どもまで大好きですよね。今回は簡単だけど、実は奥深い「ゆでたまご」に焦点をあててしました。
美味しく調理する方法は? 上手に殻をむくには? 保存方法は?
知っておくとトクする情報をお届けします。
1. 好みのゆでたまごを作るには
殻を剥いて、たまごを切って黄身の状態を見るまで、その出来栄えがわからない「ゆでたまご」。ゆですぎて黄身が黒っぽく変色してしまったり、殻が剥きにくく白身がボロボロになったり…。主婦であれば経験済みだと思います。
「ゆでたまごなんて、たまごをゆでるだけの超簡単料理じゃないか!」と思われがちですが、シンプルだからこその難しさがあるのです。
失敗せず自分好みな「ゆでたまご」を作るには、水ではなく沸騰させたお湯を使う
一般的には、水からたまごを投入して沸騰後8〜9分という説が多いようですが、もっと美味しいゆでたまごが完成する、作り方とゆで時間があるようです。そのポイントは、お水からではなく、沸騰させたお湯を使うこと。意外ですよね! では、その作り方やポイントをご紹介しましょう。
【美味しいゆでたまごの作り方】
- 常温のたまごを用意する。
- 沸騰したお湯に、お玉などを使ってひびが入らないように静かにたまごを入れる。
たまご投入後、中火で11分。これは半熟たまごで仕上がる時間なので、好みによって調整を。ゆで上がった際、黄身が真ん中にくるように、時々優しくかき回す。 - 11分経過したら、お湯を捨てて、すぐに流水で冷やす。黄身の中心に熱が残っていると、せっかくの半熟状態がなくなるのでしっかりと冷やす。何度か流水を入れ替えながら、鍋の中でたまごを軽く振り、殻にひびを入れておく。そうすると、殻と白身の間に水と空気が入って、殻がむきやすくなります。
採卵日から5〜7日経過したたまごの方がゆでたまごには適しています
たまごは、とにかく新鮮なものが一番!と思いがちですが、ゆでたまごに使用するたまごは、新鮮なものよりも産卵から少し日にちが経過している方が適しています。
たまごをゆでた後、うす皮がはがれにくいのは新鮮なたまごを使ったからという話を聞いたことはありませんか? 鮮度のいいたまごには二酸化炭素が多く含まれています。たまごの採卵日から5〜7日経過しているほうがガスが抜け、たまごと殻の間に隙間ができ、ゆでたまごの殻がむけやすくなります。
なぜそのような現象が起こるかというと、たまごの白身に含まれた二酸化炭素がゆでることで急激に気化し、殻の外に出ようとします。その際、たまご内部の圧力が高まり、白身とうす皮を強く殻に押しつけるのです。それが、殻がむきやすくなる原因です。
2. 上手く出来ないと案外ストレス!? 失敗しない殻のむき方
ゆでたまごを作るときに案外ストレスになるのが、殻をきれいにむけない時。
先述のとおり、鮮度のいいたまごをゆでた時はうす皮が張り付き、必死にむこうとして白身がボロボロに…。そんな悲しい結果にならないよう、たまごをきれいにむくコツを伝授しましょう。そのためにも、採卵から5〜7日経過した、ゆでたまごに適したたまごを選びましょうね。
たまごはきっちり冷やす!
オーソドックスですが、ゆで上がったたまごを冷水、氷水などできちんと冷やしましょう。冷えたのを確認できたら、鍋に少しの水を加え蓋をして、たまごを数秒間ガシャガシャと振ってみましょう。たまごにひびが入り、殻の間に水と空気が入ってつるっとむきやすくなります。
殻にヒビを少し入れる
ゆでる前に、たまごの尖ってない丸い部分に、スプーンなどで優しくひびを入れてみます。または、針や画鋲で同じ部分に穴を開けるといいと言われています。
ほんのちょっとの手間で、殻が格段にむきやすくなります。つるんとした「美人たまご」を目指しましょう!
ゆでたまごの賞味期限は長くても3~4日。必ず冷蔵庫で保存してください
ゆでたまごは一見、熱を通しているので日持ちしそうなイメージがありますが、実は生たまごよりも腐りやすいのです。
それは生たまごの中の、殺菌作用があるリゾチームという酵素成分が熱によって機能しなくなり、たまごの中の菌を殺す働きが無くなるからです。そのため、硬くゆでた場合(10℃で保管)で、殻にひびのないゆでたまごの賞味期限は3〜4日。
たまごの賞味期限ってどのくらい?安全な保存方法は?
下記の様に、賞味期限については日本卵業協会でもアナウンスしていますので、ひびが入っているものは避け、殻をむいたゆでたまごはその日のうちに食べましょう。冷蔵保存を忘れないように!
Q17 ゆで卵の保存方法と賞味期限を教えて下さい。
A:ゆでる条件によって異なり、ゆでた後の保存温度や殻の割れの有無によって異なります。
株式会社 光琳 発行の「卵-その化学と加工技術」によれば、硬くゆでた場合5℃で2~3ヶ月、10℃では3週間、室温(25℃以上)3~7日間程度の期限であるとされています。殻を剥いた場合は殻付きの3分の1から2分の1程度とありますが、家庭では硬くゆでた場合10℃保管で殻にヒビのない場合3~4日、いつヒビが入ったかわからないものは食べるのを控え、殻を剥いたものはその日のうちに食べることをお勧めします。
引用元:日本卵業協会 タマゴQ&A Q17より http://www.nichirankyo.or.jp/qa/hinshitsu.htm#tag17
3. ゆでたまごの黄身の色は鶏が食べる飼料によって変わります
また、ゆで上がったたまごを切ってみると、たまごによって黄身の色に違いがあるのがわかりますね。濃い色から薄めの黄色まで様々です。これは以前にもご紹介したように、飼料(餌)に関係があります。ちなみに藤野屋のたまごの「さくらたまご」を産む鶏の飼料にはマリーゴールドを加えており、鮮やかな黄身の色になっています。
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4. 栄養価としての「ゆでたまご」と「生たまご」の違いは体内への吸収率の差
ゆでたまごは生たまごと比較すると、栄養価の差はあるのでしょうか?
結論からいますと、調理法によって栄養価の差はほぼありません。しかし、吸収率に差があります。
たまごは良質なタンパク質を摂取するのに最適な食材です。たまごからタンパク質を補給する場合、生で摂取するよりも加熱した方が吸収率が良いと言われています。白身の水分を除くとそのほとんどがタンパク質で、たまごの大きさにも違いはありますが、1個あたりで約5グラムのタンパク質が含まれていると言われています。
しかし、その全てが全部栄養として吸収される訳ではありません。タンパク質を分解する酵素の働きをジャマする物質や、もともと消化されにくい分子構造のタンパク質が含まれているため、食べ方によっては、ほとんどが吸収されずに排出してしまうこともあります。
タンパク質を分解する酵素のプロテアーゼは、たまごに含まれる特定の成分(オボムコイド等)によってその働きをジャマされると、たまごのタンパク質をうまく分解できなくなります。この物質は、加熱しても完全に分解されるわけではありませんが、熱を加える事によって分解をじゃまする力が低下するために、タンパク質をより効率良く吸収できるようになるわけです。
また、肉や魚に含まれる成分が消化を助けてくれるので、加熱したたまごと一緒に摂取すると、よりタンパク質が吸収されやすくなります。
5. 「ゆでたまご」と「生たまご」の見分け方
ゆでたまごかと思って割ったら、生たまごだった!という失敗、ありませんか?
そこで、たまごを割らなくても見分ける簡単な方法を紹介しましょう。
まず、たまごをテーブルの上に置いて回転させます。この時、きれいによく回ったらゆでたまご、グラついてあまり回らなかったら生たまごです。
理由としては、ゆでたまごは中身が固定されているのに対し、生たまごは中身が流動状で回転させると中身が動いてしまい、重心が一定しないためフラフラするからです。
まとめ
簡単で手軽に作ることができる「ゆでたまご」は、たまごのタンパク質を摂るのにも適した調理法だということがわかりましたね。殻がむきやすいゆでたまごにするには、たまごの選び方、ちょっとした工夫も必要です。安全に、そして美味しく食べていただくためにも、きちんとした保存方法のもと味わってくださいね!
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