近頃、男女を問わず、健康意識の高い人が増えてきていますよね。とくに女性の間では減量などで、ただやせるのではなく、適度に筋肉も持ち合わせた美しくメリハリのあるしなやかな体を作りたいという人たちが増えていて、【筋トレ】ブームがきています。
しかしながら「筋トレとたまごって、何か関係あるの!?」と思うかもしれませんが、健康的でしなやかな体を作るために、筋トレなどの運動とあわせて効果的な食事を摂ることは、とても大切。そしてオススメの食材として、実は【たまご】はとても有効なのです。
そこで今回は、大分市にある【ジム・シェルパ】のパーソナルトレーナーである梅木さんに、筋トレやダイエットにおいて、たまごがどうよいのかなど【筋肉のプロ】の視点からみた、たまごの重要性を聞いてみました。
現役トレーナーにとっても【たまご】は欠かせない食材
──梅木さんはパーソナルトレーナーとして「理想のボディを手に入れたい」というお客様はもちろん、ご自身の体づくりに日々、取り組まれていると思いますが、トレーニングだけでなく食生活にも、かなり気を配られてるんですよね?
梅木さん はい、もちろんです。健康な体づくり、とくに筋肉をつけるといううえでは、PFC(タンパク質・脂質・炭水化物)をコントロールすることが、自分の目的とする体型に近づけるうえで重要になります。さらに、よい筋肉を効率よく身につけるためには、良質な栄養素がたくさん含まれているものをとる必要があるんです。
──なるほど。ではトレーナーとして「良質な栄養素」という意味で、【たまご】はどんな位置づけにりますか?
梅木さん それはもう、たまごは無くてはならない存在ですね!
──とてもうれしいお言葉ですね。「筋肉をつけたい!」「美しい体を手に入れたい!」という方にとって食生活にたまごを取り入れることで、どういうメリットがあるんでしょうか?
梅木さん まず「3大栄養素」の視点でいうと、たまごはMサイズで脂質が約6g、タンパク質7gくらいと、タンパク質が豊富でありながら低脂肪な食材です。
ちょっと専門的にはなるんですが、タンパク質は体のなかで分解されると「アミノ酸」になります。たまごはこのアミノ酸スコアが100という最も高い値となっており、【良質なタンパク質】がしっかりと含まれているんです。
また卵黄に含まれるビタミンB群も、よい筋肉をつくったり、ウェイトコントロールをおこなううえで【栄養を補いながら理想の体へと導ける】とても優秀な食材、ということになるのです。
──ちなみに、梅木さん自身も毎日の食生活で【たまご】はよく食べられますか?
梅木さん もちろんです!良質なタンパク質が多く糖質がゼロに等しいですから毎日食べてますね。今朝も5個食べてきました!
──5個!?すごいですね。どうやって食べてるんですか?5個も!!(笑)
梅木さん 僕の場合は、その日摂取する脂質の量によって調整します。卵黄には脂質が含まれていますので、ボディビルの大会前などウェイトコントロールしたいときは、卵黄は食べず、卵白のみを多く摂ったりしますね。
──なるほど〜。であれば、ダイエットしたいという女性などは卵黄の量を減らして、卵白中心に食べたりするとよいんでしょうか?
梅木さん そうですね。しかし、これも必ずというわけではありません。人それぞれの体質や体型、目的によってたまごの摂取する量も変わってきますし、先ほど卵黄には脂質があると言いましたが、たまご2個分程度の卵黄ならダイエット中の方が食べても、全然問題ないと思います。そのかわり、他の食材の脂質の量を減らしていけばよいので。
これは筋肉をつけたい人、ダイエットしたい人両方に言えることですが、1日のトータルのカロリーのなかで、その単体食べ物の栄養素だけでなく他の食材とバランス良く摂取できていればいいんです。
ちなみに2個程度の卵黄を食べてもOK、というのはあくまで「運動を行っている」という場合にはなりますが…。
──たまごの調理法は焼く、ゆでるなどいろいろありますが、梅木さんはどんな食べ方をしていますか?
梅木さん 僕は基本、半熟たまごで食べることが多いです。半熟でたまごを食べるのが栄養素の吸収が一番よいと言われていますから。生たまごで食べるのは、半熟よりも吸収率が下がってしまうので個人的にはあまりオススメしません(ちなみに僕は、ほぼ生たまごは食べません)。
──さすが、よくご存知ですね。以前のたまごコラム「生たまご・半熟たまご・ゆでたまご。加熱時間での栄養吸収の違いについて」でも紹介しましたが、たしかに「半熟」はたまごの栄養の吸収率がよく効果的に栄養がとれますからね。
筋トレをしている人にオススメな食べ方とお手軽メニュー
──では、筋トレ中の方にオススメなたまごの食べ方とかはありますか?
梅木さん たまごと一緒にとっておくとよいのは、やはり魚類や肉類ですかね。高タンパク低カロリーなたまごに、さらに質のよいタンパク質となるタラやホタテなどの魚介類のほか、肉は鶏肉など脂質の少ないものを摂るのがよいと思います。
──梅木さん的オススメメニューとかありますか?
梅木さん 僕はなるべくお金をかけず、しかも手軽に栄養をとりたいなというとき、白ご飯に半熟卵とノンオイルのツナ缶をのっけて、お醤油を少々かけて食べたりします。かなりズボラ飯(笑)ですけど、筋肉にも健康にもよい栄養がササッといただけちゃいますね。
──おぉ〜、超・お手軽メニューでいいですね!
梅木さん 先ほどもお伝えしましたが僕は「半熟たまご」で食べるのを心がけてます。体へのタンパク質の吸収率がよい、という部分は、健康的に栄養を摂るという意味でもポイントかもしれません。
ダイエット中の人へオススメのたまごの食べ方は?
──女性はとくに気になるところだと思うんですが、ダイエット中の方などにオススメなたまごの食べ方とかありますか?
梅木さん 先ほどお伝えしたように、たまご1個あたりの脂質が約6gなので、仮に1日2個全卵を食べたとすると脂質は12g。ダイエットしたいという女性の平均の1日の脂質の摂取量は20〜30gぐらいを目安にしてほしいので、その範囲内にあわせて魚や肉、野菜などの食材と組み合わせるといいと思います。
なので、ダイエット中だけど2個以上たまごを食べたいという人は、やはり黄身は少し控えるなどしたほうがよいかもしれませんね。
──なるほど。しかしなかなか細かく計算するのがちょっと…という人は、まずはたまごを食べるときに意識的に黄身を控える、とかからはじめてもいいんでしょうか?
梅木さん いいと思います。ちなみに全卵1個くらいじゃ絶対に太らないと思いますし。砂糖たっぷりのお菓子とか油分たっぷりの揚げ物などを食べるなら、全卵を2〜3個食べたほうがいいですね、間食とかでもたまごはオススメですし。
──ダイエット中なら、ゆでたまごを間食にたべるほうが、チョコレート1粒食べるよりいいってことでしょうか?
梅木さん 健康面を考えても、ゆでたまごのほうが断然いいですね。間食にゆでたまご食べるのは、腹持ちもしますし結構オススメです。ダイエット中の人も、脂質の目安を少し意識さえすれば、たまごはぜひ積極的に取り入れてもらいたいくらいです!
たまごをたべるタイミングは?
──運動(トレーニング)をするうえで、たまごを食べるのは、運動前と後ではどちらがよいのでしょうか?
梅木さん 黄身を含めた全卵を食べるのであれば、運動後だと脂質があることで、栄養の吸収が遅れるので、できればトレーニングの前に食べるといいですね。厳密にいうと、トレーニングの2〜3時間くらい前に食べると、ある程度、体に栄養素が吸収されている状態になるので体にとってもよいと思います。
最後に
──パーソナルトレーナーという視点から「たまご」という食材についていろいろとお話を伺いましたが、【たまご】は、美しい肉体美を求める方たちの救世主的な食材としてお役にたてているようですね。
梅木さん 私のジムに通われているお客様にもさまざまな食事指導やアドバイスなどを行っていますが、筋肉をつけたい、ダイエットをしたいという人どちらにも、【たまご】は、必ずとり入れるべき食材としてお話しています。
自分にあったトレーニング方法はもちろん、質の高い栄養をとりながら、健康的に自分体型・体質を変える手段の1つとして【たまご】有効な食材です。
良心的な価格で栄養価が高く、しかもローカロリーな【たまご】は、トレーニングと食事で理想のボディメイクを行う方にも、ぜひ積極的に取り入れてほしいと思います。