たまごコラムcolumn

藤野屋のたまごをつくる人【ポートリー編】UPDATE. 2020.10.28

藤野屋‗たまご‗ポートリー01

日本の養鶏場の約8~9割割が導入しているケージ飼いでの養鶏法。

 

藤野屋のたまごづくりのメインでもある養鶏場【藤野屋ポートリー】でも毎日、約23万羽の鶏がたまごを産んでいます。

 

ポートリーのスタッフは、鶏たちがおいしいたまごを産むために日々、鶏の健康はもちろんポートリーの管理・運営に力を注いでいます。

 

今日は弊社のたまごづくりをになうスタッフのリーダー的存在である石田 賢一場長に、ポートリーの仕事についてや、ふだんなかなか聞けないお話をいろいろと聞いてみました。

 

 

広大なポートリーを少数精鋭で切り盛りする

 

 

──ポートリーでは現在どのくらいの数の鶏がたまごを産んでいるんですか?

 

 

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石田さん
 4つの棟と集卵舎があり、1棟につき6万羽の鶏がいます。たまごの生産量は日にもよりますが、1日で約16~18万個くらいです。

 

──約23万羽もの鶏がいる鶏舎を11人で切り盛りするのは大変ではないですか?

 

石田さん よく言われるのですが、うちの鶏舎はフルオートメーションを導入した生産体制なので、基本的な生産ラインの管理や温度管理などは手動で行うことはないため、少人数でもまわせています。

 

鶏が健康を保ちながらよい品質のたまごを安定的につくれるのも、オートメーションを中心とした生産を行えているからだと思います。

 

──ポートリーで行っている仕事について教えてください。

 

石田さん 基本的には農場内の鶏舎の棟ごとに管理を行っています。きちんと機械が作動しているか、鶏のエサや飲用水はきちんと適量入っているかなどをチェックのほか、衛生面を徹底するうえで鶏舎内外の清掃やフンの処理(除糞のほとんどは機械で行っていますが隅々はスタッフが行う)・清掃などは必ず毎日徹底しています。

 

また、鶏舎内で産まれたたまごは隣接する集卵場に自動的に運ばれるようになっています。集卵場では機械とスタッフの目視で、1つひとつ汚れや割れているなど、出荷できないたまごがないかをチェックし、あれば取り除く作業も地道な作業です。

 

さらに集卵場で選定されたたまごを、GP工場(たまごを洗浄、殺菌などしてパック詰めする工場)へと運ぶまでが自分たちのおもな一日の仕事です。



鶏と向き合う日々

 

 

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──鶏がおいしいたまごを産むうえでは「鶏の健康」は大切ですが、これだけたくさんの鶏の健康状態ってどうやって管理しているんですか?

 

石田さん 1棟6万羽もいるので、1羽1羽の鶏を細やかに管理するというのはむずかしいというのが正直なところです。しかし鶏の体調管理は大切な業務のひとつなので、毎日欠かせません。

 

各鶏舎ごとに鶏をグループ(群れ)単位で管理しているので、群れのなかに体調の悪そうな鶏はいないか、エサをあまりたべない鶏はいないか、産卵ペースは大丈夫かなどをチェックしています。

 

──鶏の体調を見極めたりするのってある程度の経験が必要になってくるんですよね?

 

石田さん そうですね。私はこの仕事をはじめて7年になりますが、今でこそ鶏のちょっとした変化などにも自然に気づくようになりましたが、最初はまったくわかりませんでした(笑)。

 

──おいしいたまごをつくるうえで、大切なことってどんなことですか?

 

鶏が少しでもストレスなく快適に過ごせるためのよい環境づくりを行うのはもちろん、まずは鶏が健康な体を維持できる状態をつくってあげることです。

 

そのためには鶏に見合った適切な量のエサ(飼料)を与えることも大切です。とにかくたくさんエサを与えさえすればいいたまごを産む、というわけでもありません。

 

適正な標準体重を維持できるようエサの量を調整しながら与えることで、鶏が健康な体になります。

人間と同じで鶏も「健康体」でなければ、おいしいたまごは産めないですからね。


ポートリーでのたまごづくりは「円滑さ」が欠かせない

 

 

 

 

──石田さんは現在、ポートリーの場長としてほかのスタッフのリーダー的存在ですが、ポートリーでの仕事を続けてこられてどうですか?

 

石田さん 私はもともと養鶏、というか畜産業とはまったく違う業種で働いていました。

畑違いの業種からのスタートでしたが、負けず嫌いの性格もあって「ほかの人がやれるんだから自分もできる!」という気持ちで先輩から学び吸収しながら、経験を重ねてきたかなとは思っています。

それでも養鶏やたまごづくりの「奥深さ」は、最近やっと噛みしめている感じです。

 

たまごづくりで重要なことは、鶏の健康はもちろんですがそれだけではありません。エサや気候、群れという集団生活での鶏同士の相性、鶏自体の個性などいろんな要素が絡み合っているんです。

 

ポートリーでのたまごづくりは安定的な生産という面も重要視されているので、どうやったら健康な鶏がおいしいたまごを産むことを誤差なく維持できるかというのも、面白みのひとつかもしれません。



オートメーションと人のチカラで安全・安心なおいしいたまごをつくり続ける

 

 

──場長として日々心がけていることなどはありますか?

 

石田さん 円滑にポートリーがまわるように、それぞれの持ち場を見守りながら全体の流れを見る役割をしているので、スタッフが順調に作業できているかは日々気を配っていますね。

 

ポートリーでのたまごづくりは、オートメーションの力を借りつつ、自分たちにしかできない(人にしかできない)部分を行うことで安定して生産ができるので、みんなが円滑に作業できているかどうかも大切な自分の業務です。

 

 

 

自分の経験は必要であれば若いスタッフにも伝えていきたい  

 

 

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──現在そして今後、この仕事で何か思っていることがあれば教えてください。

 

石田さん 養鶏業に限らずですが私たちのような「畜産業」は、どうしても地方(田舎)での仕事ですし、なんとなく「キツイ・汚い」などのネガティブなイメージがまだまだ先行されていて、なかなか若い人達には人気があつまりにくい業種というのが現状です。

 

でも、うちの鶏舎などは徹底した衛生管理やオートメーション化で、環境的にも従来の畜産業へのイメージとはかなりちがって、よい環境で仕事ができています。

 

私個人的には、なかなか若い人材が集まらない畜産業のイメージを払拭できたらいいなとは思います。また、自分のこれまでの経験や知識を必要としている人がいれば、惜しみなく伝えていきたいですね。

 

──石田さんをはじめスタッフの方々の地道な作業で、おいしいたまごが毎日つくられていることをあらためて感じました。今日はありがとうございました。

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