コロナ禍で家で過ごすことが多くなったのを機に、健康に対する意識は年々高まってきています。「お家ごはん」の機会も増えたことで、必然的に「たまごの出番が増えた」という方もいるのではないでしょうか?(そうであれば非常にうれしいです!)
たまごの魅力はたくさんありますが、「健康を支える栄養が豊富」という点は大きな特徴です。今日はその栄養がどんなメリットを与えるのかを、世代別にオススメな理由をご紹介します。
「たまご」には人の健康を支える栄養素がたっぷり
たまごはタンパク質や脂質、ビタミン群やミネラル群がたっぷり含まれた「スーパーフード」です。小さなお子さんからお年寄りまで、成長を助けたり健康維持にも、手軽に味わえる優れた食材です。
アミノ酸スコア100の、質の高いタンパク質
鶏肉や大豆製品など高タンパクな食材はいろいろとありますが、たまごには1個あたり約6.2gのタンパク質が含まれているほか、アミノ酸も豊富です。
タンパク質は20種類の「アミノ酸」から構成されているのですが、そのうち9種類は体の外から、つまり食事から摂取しなければなりません。たまごには、この大切な9種類のアミノ酸が、すべて含まれています。
ちなみに食べ物に含まれるタンパク質と必須アミノ酸のバランスが良いかどうかの指標を「アミノ酸スコア」と呼ぶのですが、たまごには「アミノ酸スコア100」、つまり100点満点の食材!質の良いタンパク質が含まれているのです。
ビタミン群が豊富
タンパク質や糖質、脂質をエネルギーに変え、健康を維持するうえで欠かせないのが「ビタミン」です。果物や野菜などに多く含まれているイメージの強いビタミンですが実は、たまごにはビタミンB12、B2、B6、D、Aなどたくさんのビタミンが含まれています。
代謝を促し、心身の健康維持に役立つミネラル群も
ビタミン同様、基礎代謝やエネルギーを作るうえで欠かせない栄養素の「ミネラル群」も多く含まれています。たまごに多く含まれているミネラル群の栄養素は、リンや鉄、亜鉛があります。
世代別、「たまご」の栄養素がもたらす効果や役割
あらゆる世代の体をサポートするたまごですが、具体的にどんなメリットがあるのか、世代にわけてお伝えしましょう。
食事を始める乳幼児~幼児期の発育をサポート
乳児期の離乳食が始まる5〜6カ月頃から、「卵黄」から少しずつ摂りはじめてもよいといわれています。母乳を飲んでいる赤ちゃんは、とくに鉄分や葉酸、ビタミンDなどが不足しがちなので、発育のためにも離乳食の食材としてたまごはオススメです。
気を付けるべき点は、必ずしっかりと加熱するという点。固ゆでしたゆでたまごの黄身から与えていくのがよいかもしれません。
また、卵黄よりも卵白にアレルギーの原因となる物質が含まれているといわれているので、まずは離乳食では卵黄をごく微量から摂るのが望ましいです。
ただし、アレルギーの症状などが出た場合や、初めて食べさせるのが心配な方は、やはり小児科医に相談してから摂り入れるのがよいでしょう。
自分でご飯を食べるようになる幼児期にも、たまごのタンパク質やビタミン群は体の成長や代謝を促すうえでもオススメです。
好き嫌いも多い時期なので、オムライスやたまご焼きなど、見た目にも気を配った献立などがいいかもしれませんね。
小・中学生~高校生の「成長期」には、うってつけの食材
学童期といわれる「小学生」や、最も活動的で栄養が必要な中・高校生は、心身の成長が著しく、毎日の食事での栄養面はとても大切です。
例えば、成長期にたまごを1日2個たべることで、骨や肉をつくるうえで必要なタンパク質量の約20~25%を、成長を助け代謝を促す効果のあるビタミンB2は約40%補うことができます。
焼きそばに目玉焼きを、牛丼に生卵をのっけてみたりと、食べ盛りのお子さんの食生活には、意識的にたまごを取り入れるとよいでしょう。
朝ごはんを食べる習慣を!
近年では、成長期の子どもたちが朝ごはんを食べないことが懸念されています。成長期に朝ごはんを食べずに一日をスタートすると、エネルギー不足になり勉強や運動に集中できなかったり、健康にも悪影響を及ぼします。
たまごは、忙しく時間がないときにも簡単に栄養を摂れる便利な食材。
ご飯やパンなどの糖質と一緒に「たまごのある朝食」を摂り入れるだけで、心身を目覚めさせ、一日の始まりに活力を与えてくれるのです。
また、たまごに含まれる「レシチン」は「脳」のエネルギー源になるともいわれています。
たまごかけご飯や、もっと簡単ならゆでたまごでも構いません!
たまごを活用して朝食を摂ることを習慣化することで、成長期の栄養バランスは確実に変わってきます。
成人期以降も「たまご」は、さまざまな効果が期待できます
大人になってからもたまごは、健康のために不可欠な食材です。
20~30代の不規則になりがちな食生活を「たまご」で整える
20~30代は、仕事やプライベートを存分に楽しむ時期であったり、結婚や子育てが始まるなど変化に富んだ世代。忙しさのあまり、朝食抜きになったり夜遅くに食事をしたり、不規則な傾向になりがちな人も多いのではないでしょうか?
男性は「たまご」のタンパク質+野菜で、メタボ予備軍を予防しよう
この年代の男性は、外食や間食など、食事が偏ったり不規則が原因で「メタボ予備軍」の人が増えてきます。たまごのタンパク質に野菜や果物、キノコ類などで食物繊維を意識して摂るようにしましょう。
またお酒をよく飲む人にとってもたまごは有効!たまごのタンパク質に含まれるアミノ酸のひとつ「メチオニン」は、肝臓の働きを助けてくれ、二日酔いを早く解消してくれたり、予防してくれます。
こちらの過去コラムでもお酒とたまごの関係についてもご紹介しています。
お酒好き必見。【たまご】が肝臓にやさしく二日酔いも防いでくれる!
ダイエットや美肌を助けます
美に特にこだわるこの世代の女性にも、たまごは積極的に取り入れてほしい食材。
たまごは1個あたり約81㎉と低カロリーなので、必要な栄養素はちゃんと補給しつつダイエットの食事制限に活躍します(実際に私もあらかじめゆでたまごを作って、甘いものが食べたくなったら代わりにゆでたまごを食べたりします)。
また、たまごに含まれる「レシチン」は悪玉コレステロールを血液に溶かす優れた作用があり、肌の健康を維持してくれるので、美肌効果にも期待大!美を追求する女子をしっかりサポートしてくれるのです。
ダイエットにも役立つことに関しては、こちらのコラムでもご紹介しています。
妊婦さんにもたまごがオススメ
妊娠中の女性は、赤ちゃんの体の形成のためにも葉酸が必要といわれています。たまごには、ビタミンB群の一種である葉酸や、お母さんの貧血予防のための鉄も含まれているので、妊婦さんの健康やお腹の中の赤ちゃんの成長にも良い作用をもたらします。
40代以降の方も、「健康維持」「長寿」のために積極的にたまごを取り入れましょう
40代以降になると、男性で多いのが「メタボ」体質、女性であれば「更年期」です。
「太り気味でコレステロールが気になるから、たまごは控えたほうがいいのでは?」というイメージがありますが、1日2個程度なら食べても問題はありません。たまごには血圧を下げたり心疾患のリスクを下げるというコレステロールが含まれており、悪玉コレステロールを減らしてくれる働きもあります。
※ただし脂質異常症や循環器系の疾患医師から指導されている方や、遺伝的にコレステロール値がかなり高い方は、摂りすぎには注意が必要です。
コレステロールとたまごに関してはこちらの記事でもご紹介しています。
1日2個以上食べるべき!【たまご】と【コレステロール】の真実
また女性の場合は年齢とともに代謝が落ち、太りやすくなったり肌荒れなどが気になる人も多いのではないでしょうか。
たまごのビタミンB2は脂質の代謝を促し、ビタミンAは皮膚の乾燥を防ぐ作用があり、まさに「アンチエイジング」にも最適なのです。
高齢者こそ「たまご」を日々の食生活に
高齢者になると、硬い食事がしづらくなったり、胃腸が弱くなったり、嗜好品に食事が偏り気味になります。
たまごは噛むが弱くなった高齢者でも食べやすく、どんな調理法でも食べやすいのも魅力。消化吸収が早いので、胃腸が弱まる高齢者の栄養補給をするうえでも最適です。
コリンが認知症の予防に
卵黄に含まれる「コリン」という成分は、脳の活性化を促す作用があるといわれ認知症の予防にも有効と注目されています。
たまごは食品のなかでもコリンの含有量は、食品のなかでも最も多い食材。
高齢者の脳の老化を防ぐためにも積極的に取り入れるとよいでしょう。
赤ちゃんからお年寄りまで。生涯食べ続けられる食材です
こうやってお話をしていくと、「たまご」は生涯のあらゆる健康面をサポートする食材であることがおわかりいただけたのではないでしょうか?
手前味噌ですが、たまごは非常に優秀な食材だと感じています!
毎日の食生活に取り入れることを、習慣化してみてください。
ご自身はもちろん、大切な人の健康を考えるうえで参考にしていただければ幸いです!