質の高い飼料は鶏と人の健康に大きく影響します
質の高いたまごづくりにおいて大切なことは、鶏たちが過ごす環境が年中過ごしやすいものであることに加え、もう1つポイントになることがあります。
それは毎日鶏たちが食べる「飼料」(エサ)です。
人が「食」を通して健康を維持するのと同じように、鶏の健康維持にも「エサ」は非常に重要なポイントになります。さらに鶏がどんな飼料を食べたかによって、たまごの味にも違いが生じてくるのです!それだけに私たち生産者にとっても飼料は「こだわり」や「個性」の見せどころになってきます。
そこで今日は、鶏たちのごはんである「飼料」についてお話します。
飼料は大きく【配合飼料】と【自家配合飼料】の2つに分けられます
鶏が食べる飼料は大きく分けると【配合飼料】と【自家配合飼料】の2つに分けられます。
【配合飼料】とは?
【配合飼料】とは、2種類以上の原料を目的に応じて調整した飼料のことで、必要な栄養素が規定に基づいて含まれた飼料のこと。現在の日本の養鶏場の多くが使用している飼料になります。
「配合設計」に基づいた栄養素がきちんと配合されているので、栄養価にバラつきがないことや、保存性が高いのがメリットです。
ちなみに現在の日本の養鶏場のほとんどがこの【配合飼料】を取り入れています。
「配合飼料」ってなに?
配合飼料とは、「牛、豚、鶏、魚類」などのエサとして、トウモロコシやマイロ、麦、ふすま、粕類など、種々の原料を配合・加工して、「栄養素が調整された飼料」です。保存性が高く使用法が簡便なことも特徴で、家畜の種類や発育ステージごとに家畜栄養学に基づいて最適なバランスで給与されます。
【引用元】:日本飼料工業会「飼料のまめ知識」(「配合飼料」ってなに?)http://www.jafma.or.jp/more/mamechisiki.php
【自家配合飼料】とは?
【自家配合飼料】とは、その名のとおり「自家(自分で)」配合した飼料のことです。自家配合飼料は、料理でいう「手作りの味」なので、生産者の好みにより近い飼料を与えることができます。
どんな飼料を与えるかは生産者のこだわりや方針によっても様々
スーパーなどの店頭で売られているたまごのパッケージを見ると、飼料の特色をアピールしているたまごが数多くが多くありますよね?これはつまり、養鶏業を営む生産者が「どんなたまごを作りたいのか?」という想いの現れでもあります。
藤野屋では配合飼料を与えています
藤野屋では平飼い・ポートリー(ケージ飼い)ともに【配合飼料】を与えています。
消費者の方の中には、イメージ的には手作り感のある「自家配合飼料のほうがよいのでは?」と思う方もいらっしゃるのではないかと思います。しかし結論から言うと「どちらの飼料のほうが絶対いい!」というわけではなく、先程述べたように、どちらの飼料にもそれぞれの「良さ」がありますし、生産者の方針や好みにもよります。
藤野屋が【配合飼料】を与える理由
ちなみに藤野屋が【配合飼料】を与えている理由としては次の2つがあります。
1.偏りのない美味しさをいつもお届けするため
私達が配合飼料をとりいれている最大の理由は、結果的に「安定的なたまごの供給ができる」という点です。
自家配合飼料は小規模の養鶏場であれば行うことも可能ですが現在、藤野屋にはポートリーだけで約18万羽、さらに2017年5月末には新たな鶏舎の完成も予定しており、さらに5万羽の養鶏を行っています。
それだけ多くの鶏の栄養と健康、さらには安定したたまごの生産を考えた際には、自家配合飼料だとどうしても飼料の栄養価の割合にブレが生じてしまいます。
飼料にブレが生じると、鶏の健康はもちろん、たまごの生産量、味にバラつきがでてしまうため、弊社では総合的に偏りのない美味しさをお届けしたいという考えのもと、配合飼料を取り入れているのです。
2.鶏の健康は結果的に人の健康につながります
栄養価がきっちりと計算された【配合飼料】を食べて育った鶏が産んだたまごは、その美味しさや栄養価も安定しているため、結果としてたまごを食べる人も安定して栄養を吸収できるのです。
配合飼料は季節や鶏の日齢によって飼料に変化をつけています
例えば暑さに弱い鶏たちは夏が苦手です。
そこで食欲が落ちる夏場に与える配合飼料には、ガーリックを少しブレンドして滋養強壮や食欲増進を図るほか、日齢の低い(若い鳥)にはカロリー高め、老鶏には少しカロリー抑えめかつ栄養価の高いものを与えるなど、季節や鶏の日齢など細やかな部分にも気を配った餌やりを行っています。
たまごの種類によって配合する原料は様々です
先に述べたように、藤野屋では自社で作る自家配合飼料ではなく【配合飼料】を使っています。
しかし、たまごに特色を持たせるという点をふまえて、配合飼料の原料も商品の種類によって様々なものを使っています。
平飼いたまご「ハーブたまご」
主原料のトウモロコシにナツメグやタイム、シナモンをブレンドした配合飼料を使っています。ハーブを入れることで、鶏の食欲増進やエネルギー代謝がアップし、鶏が健康の維持につながると言われ、さらに臭みがなく癖のない、あっさりとした味わいのたまごになります。
平飼いたまご「地養卵」
自然が培った飼料である「地養素」を含んだ飼料を与えています。クセが少なく、コクと甘みのある味わいが特徴です。
ポートリー(ケージ飼い)「さくらたまご」
主原料に加えて、地養素、ビタミンK2、マリーゴールドを加えています。鮮やかな色の黄身とあっさりとした味わいで、どんな料理にも合うのが特徴です。
まとめ
当たり前ですが、鶏も人と同じで健康で元気であることが何よりも大切です。鶏の健康を維持するために良質な飼料を与えることは、人が新鮮で安全で美味しいたまごを味わえるという部分にもつながっており、たまごづくりの重要なポイントになります。
また、スーパーなどの店頭で売られているたまごのパッケージを見ると、飼料の特色をアピールしているたまごが数多くが多くありますよね?
これは、養鶏業を営む生産者が「どんなたまごを作りたいのか?」という想いの現れであり、そのこだわりや方針は生産者によって様々です。
もし「どのたまごがいいのか分からない」と迷うときは、生卵の状態でいろいろなたまごを食べ比べてみるのも良いかもしれません。自分の好みに合ったたまごを見つけて、日々の食事に積極的に取り入れてくださいね。
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