たまごコラムcolumn

たまごは1日2個以上食べてOK!たまごはコレステロールの敵ではない!UPDATE. 2017.3.30

たまご_コレステロール1

 

たまごが大好きな日本人。私たちの食生活を振り返っても、目玉焼きや卵焼き、デザートや調味料などあらゆる場面でたまごを摂取していますよね?

 

その昔、母や祖母から「たまごを食べ過ぎたらダメよ」と言われていたことを思い出しますが、どうやらこれはコレステロールが関係していたようです。

 

しかし、食事摂取基準からコレステロール摂取の目標値がなくなったことが2015年に厚生労働省から発表され、コレステロール値が高い食材として敬遠されていた「たまご」は毎日摂取しても問題ないことが明らかになりました。

コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるものの、目標量を算定 ─126─ するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた。

「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」 策定検討会報告書 125p 2-7-21.目標量の設定 より引用:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042631.pdf

 

そこで今回は「たまごとコレステロールの関係」について詳しくお話しします。

 

コレステロールの摂取制限がなくなった理由


これまで厚生労働省は、男性750mg、女性600mg未満という、1日のコレステロールの摂取基準を設けていました。ちなみに、50〜60gのたまご1個のコレステロールは200〜240mgと言われているので、1日2個食べると目標値をオーバーしていました。

 

しかし、2015年の改訂で、日本人の食事摂取基準からコレステロールの摂取基準が削除され、目標量はなしと改められました。

 

なぜコレステロールの摂取制限がなくなったのか?

 

それは、たまごのみならず、食品全般からのコレステロール摂取量に関して、食事することでの影響はないという結論に至ったからです。

 

また【日本養鶏協会】発行のたまごとコレステロールに関する資料(https://www.jpa.or.jp/news/event/essay/2015/tamago_pam_150312.pdf)にもありますが、たまごを1日2個以上食べても、動脈硬化性疾患罹患との関連は認められないほか、たまごの摂取量のによる虚血性心疾患や脳卒中による死亡率や、冠動脈疾患罹患との関連性が認められないことが記されています。

 

コレステロールとはそもそもどうやって体内で作られているのか?


体内のコレステロールのうち、食事から摂取しているのは一部にしかすぎず、8割程度は肝臓など体内で作り出されています。

 

体内のコレステロールを一定の値に保つため、食事から摂取したコレステロールが高いと、肝臓は調整して生成量を減らしてます。こうして肝臓は、体内でのコレステロールのバランスを測っているのです。

 

悪者扱いされるコレステロールですが、コレステロールは脂質の一種で、動物が生きている上で不可欠な栄養素です。からだを構成する約60兆個の細胞の細胞膜のほか、ホルモン、脂肪の消化に必要な胆汁酸、脳の神経細胞の材料になります。コレステロールは人が生きていく上で、不可欠な栄養なのです。

 

コレステロールが低いと、人はどうなるの?


一般的に、コレステロール値が高いことでのリスクは認知されていますが、低すぎることのリスクは案外知られていません。実は、不足することでこんなことが…。

 

●血管の細胞膜が弱くなるので、血管がもろくなり、脳出血を起こしやすくなる
●胆汁酸が不足するので、脂肪が消化、吸収されにくくなる
●男性・女性ホルモンが低下する
●副腎皮質ホルモンの減少により、疲労、感染症、食欲減退をまねく
●脳の神経伝達の働きが悪くなる

 

コレステロール不足の食事を摂り続けると、たんぱく質、ビタミン、ミネラルも不足し、しっかりとした細胞膜が作られなくなり、ウイルスや細菌から体を守る守る防護機能が衰えていきます。その結果、免疫細胞の中心でもある白血球の働きが弱くなり免疫力が低下します。

 

それらを示す研究結果もあります。日本卵業協会のHPからの情報によると、日本脂質介入試験の臨床試験で、コレステロールが低いとガンの死亡率は5倍になるという結果が出ています。全国で約5万人を6年間追跡調査した大規模な研究ですが、それによると、コレステロール値が極端に高すぎる場合を除き、コレステロール値が低くなるほど死亡者数が多くなるというデータ結果が出ました。特にガン死亡者数ではその傾向が顕著に現れていました。

 

ちなみに、死亡リスクが一番低かったのは、コレステロール値が200〜280mg/dlで、180mg/dl未満のガン死亡者は、280mg/dlの人の5倍だったそうです。

●コレステロール値が高くても低くても、死亡のリスクは大きくなり、むしろ低いほうがそのリスクは、より大きくなる。
●総死亡のリスクが小さいのは、200~280mg/dlで、この範囲内の数値であればリスクは変わらない。

なかでも日本人の死因の20年以上トップであるガンについてだけみると、

● コレステロール値が低いほど、ガン死亡者は多い!
●180mg/dl未満のガン死亡者は、280mg/dl以上の人の5倍だった! これと同じようなデータは、他にも有名なところでは※『八尾研究』などいくつも発表されています。つまり“コレステロール値が高めのほうが長生き”ともいえます。

日本卵業協会ホームページ Let’s Study コレステロール Lesson6 より引用:http://www.nichirankyo.or.jp/study/lesson03.htm

 

また、コレステロールが低いと、精勤的に不安定でうつ状態になりやすくなるということを知っていますか? コレステロールが少なくなると、心の不安をなくす脳内物質の「セロトニン」が少なくなり、その働きが妨害されるといわれています。

 

「コレステロールが低い」と自慢していた人は、これを機に血中コレステロール値が適正であるか、一度見直してみましょう。

 

悪玉コレステロールと善玉コレステロールって?


よく耳にするこのキーワード。多種類の補助食品も販売されていますね。

 

血中にあるコレステロールには「LDL」と「HDL」に分けられ、「善玉コレステロール」「悪玉コレステロール」と呼ばれています。

 

しかし、それぞれ、大切な役割を持っているのです。

悪玉と言われるLDLは、血管などの体の各組織に必要なコレステロールを運びます。

対して善玉と呼ばれるHDLは、余分なコレステロールを肝臓に戻す働きをしています。

 

コレステロールを全身に運んでいるLDLが悪玉、回収するHDLが善玉となっているのですが、これもおかしな話です。先にもお話しましたが、からだに不可欠なコレステロールを、必要な組織に運んでいるのですから、そう考えると善も悪もないですよね。血中に、両方がバランスよく存在すれば何も問題もありません。

 

悪玉・善玉それぞれの特徴と働き

 

●LDL(低密度リポ蛋白)
体の各組織に必要なコレステロールを運ぶ
・肝臓から出発・脂肪が多い・たんぱく質が少ない


●HDL(高密度リポ蛋白)
余分なコレステロールを肝臓に回収する
・肝臓へ戻る・脂肪が少ない・たんぱく質が多い

 

たまごを毎日食べても脳卒中や心臓病に影響はありません

 

コレステロールを多く含むたまごですが、実はたまご2個でもエネルギー量はたったの166Kcal茶碗一杯のご飯よりカロリーは少ないのです。

 

脳卒中や心臓病などを心配する人にとって、高カロリーな食事はNGですが、先述したとおり「たまごと各種疾患との関連は認められない」という点や、脂質やたんぱく質、カルシウム、鉄分、ビタミンB群、アミノ酸など多くの栄養素が含まれているという点から、たまごは最適な食材と言えるでしょう。

 

黄身と白身、どちらがコレステロール値が高い?


では、たまごの黄身と白身ではどちらがコレステロールの数値が高いのでしょうか?

 

Lサイズのたまご1個分(60g)のカロリーを比較してみると、白身(38g)は18kcl黄身(17g)は66kcalと、黄身の方が圧倒的にカロリーが高くなります。また白身の脂質は0gなのに対し、黄身は5.7gと、たんぱく質は白身の方が多く含まれています。

 

黄身にはビタミンB群、ビタミンD・Aなどが豊富に含まれているので、本来ならは黄身も白身も両方食べてほしいところですが、黄身1個でコレステロール値を250mgも含んでいるので、気になっている方は黄身の量を控えて食べるなどの工夫をすると良いでしょう。

 

たまごを積極的に摂取することは生活習慣病予防にもつながります


前述でも、コレステロールが高いたまごを食べることでの病気発症のリスクは認められないということをお話しました。

 

アミノ酸スコア100の良質なたんぱく質をはじめ、各種ビタミン類、亜鉛、カルシウム、リン、鉄などのミネラル類を豊富に含んだ、ほぼ完全な栄養食材のたまご。生活習慣病の予防・改善に効果があるといわれるレシチンやコリン、カロテノイドなどの機能性機能性成分も多く含まれています。

 

たまご2個を摂取することは、大人の1日の必要エネルギーの9%にすぎません。特に高齢になると肝機能が低下し、コレステロールが作られにくくなるので、毎日食事でコレステロールを摂取する必要があります。積極的にたまごを食べてコレステロールを補いましょう。

 

新鮮・安全・美味しいたまごを毎日食べる習慣をつけましょう!(まとめ)


コレステロールが高いから…と、生活習慣病を機にする人たちには敬遠されていたたまごですが、実はその認識は間違いだったということがわかりましたね。

 

むしろ、コレステロールは人間の体には不可欠で、コレステロール値が低いほうが、体にいろんな支障をきたすということも知ることができました。

 

健康の維持・増進、生活習慣病予防のためにも毎日1日2個程度のたまごは食べたいですね。藤野屋では、より新鮮で安心安全なたまごを食べていただけるよう、たくさんのこだわりと愛を込めてたまごの品質管理を行なっています。毎日の充実したたまごライフの手助けになれば幸いです。

 


 

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