たまごコラムcolumn

たまごを割ったら卵白が水っぽい!品質に問題はないの?UPDATE. 2018.9.11

たまご_水っぽい①

 

毎日台所に立つ主婦の方なら経験があるかもしれませんが、料理のためにたまごを割ってみたら「あれ?なんだか卵白が水っぽくって弾力がない…」と、ちょっと残念な気持ちになったことはありませんか?

 

新鮮なたまごといえば黄身がプリんっ、卵白はこんもりとした厚みのあるものですし、おそらくみなさん同じイメージをお持ちだと思います。

 

新鮮なたまごを選んで買ったし、保存方法もきちんとしているのに、卵白に弾力がないと「なんで?本当にこのたまご、新鮮なの?」ってちょっと不安になってしまいますよね。

 

実際に藤野屋でも時々、たまごをご購入いただいたお客様から「たまごの白身(卵白)がジャバジャバしてるいるんですがどうしてですか?」という質問をいただくことがありました。

 

実はこの「卵白が水っぽい」原因は、たまごの構造や鮮度以外だけでなく、他のことも関係しているんです!そこで今日はこの卵白が水っぽくなってしまう理由について紐解いていきたいと思います。

 

 

たまごの白身が水っぽくなる3つの原因

 

夏バテ_たまご3

 

まず、卵白が水っぽくなる理由をお伝えする前に、少し卵白の構造についてお話しましょう。

 

たまごの白身(卵白)は、「濃厚卵白」と「水溶性卵白(厳密に言うと、外水様卵白・内水様卵白)」に分けられます。

 

よく卵かけご飯や目玉焼き作るさい、たまごを割ったときに黄身のまわりを囲んでいるプリッとした弾力のある部分を「濃厚卵白」といい、さらにそのまわりの、サラサラとした卵白を「水溶性卵白」というのですが、この2つの卵白が次のような理由で水っぽくなってしまうのです。

 

①暑さで鶏が飲む水分の量が増えるため

 

実は「夏の暑さ」が卵白が水っぽくなることに大きく関係しているのです。

 

鶏は、暑いのが大の苦手。暑い夏になると人間が水分を多く摂取するのと同じで、鶏も水を飲む量が増えてきます。

 

とくに今年のような猛烈な暑さともなると、鶏も夏バテ気味で食欲が落ち、水分を多く取る傾向があります。するとたまごに含まれる水分量も増えるため、黄身のまわりの弾力性の高い「濃厚卵白」の粘土も下がり、「水溶性卵白」のように水っぽくなってしまいます

 

②卵白に含まれる炭酸ガスが散失するため

 

たまごは時間の経過とともに炭酸ガスが散失していきます。卵白に含まれるpHも時間とともに上昇していき、その結果、濃厚卵白内のタンパク質の粘度性が変化し、水っぽい水様性になります。

 

③鶏の月齢によるもの

 

もう1つ考えられるのが「鶏の月齢」です。

 

一概には言えませんが、たまごを産む鶏の生まれてからの日数が少ないほど卵白が盛り上がり、日数が経った鶏が産んだたまごは盛り上がりが少ないという傾向にあります。

 

なので「卵白が水っぽくなる原因はわかったけれど、やっぱりこんもりした卵白のたまごを食べたい」という方は、サイズの小さなたまごを選んでみるのもよいかもしれません。

 

一般的には、たまごを生み始めたばかりの鶏が産むたまごは小さく、生まれて2〜4年の鶏が産むたまごは大きいと言われているからです。(もちろん大きさの違いは月齢だけでなく、鶏の個体差や飼料などによっても変わってきますので一概には言えませんが)

 

 

夏場のたまごの卵白は水っぽくなりがち。でも美味しさに問題はありません

 

たまご_水っぽい②

 

季節的に夏場はどうしても鶏の水分の摂取量が増えるために、卵白が水っぽいたまごになってしまう傾向があります。いくら新鮮なたまごでも、冬場のものと比べると、夏場のたまごは、若干卵白の盛り上がりが低くなってしまいます。

 

しかし水分量が増えているだけで、たまご自体の「美味しさ」には問題はありません!たしかに卵白の「こんもり」度は低くなることもありますが、味や品質は変わりありません(少なくとも藤野屋のたまごは変わりありません)!

 

水っぽい卵白に向いている料理

 

卵白が水っぽくても味には問題がないことはおわかりいただけたかと思いますが、ではどんな料理にするのが向いているのでしょうか?

 

適正な保管をし(たまごの安全な保存方法は過去のブログでもご紹介しています)、賞味期限内に味わうのであれば、もちろん生たまごや温泉たまごなどでも十分おいしくいただけますが、オススメは「お菓子作り」

 

水溶性の卵白が多くなったたまごは、泡立ちがよいのでスポンジケーキなどに必要なメレンゲづくりに最適です。また、サラサラとした卵白なのでプリンや、ダシ汁や他の具材と合わせて作る茶碗蒸しなどにも向いているでしょう。

 

 

一年を通じて「鮮度」と「品質」に自信のあるたまごづくりを行っています

 

今回は、たまごの卵白が水っぽい理由は季節的なことや月齢が主な原因であることをお伝えしました。

 

藤野屋では、「一年を通じて美味しいたまご」を作っていますが、たまごの中身は一年中「均一」とは限らないということも、毎日たまごをたべてくださっているお客様には知っておいていただけたらと思います。

 

しかし卵白の粘度が、季節や鶏の月齢などの理由で違いはあっても、美味しさに変わりはありませんし、品質には確かな自信のあるたまごづくりを私どもは日々行っています。

 

藤野屋では恵まれた大自然のなかで、鶏たちが健康を維持しながらたまごを産める環境を整えながら、自然が培った「美味しいたまごづくり」に、これからも努力していきたいと考えています。

 

 

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